2012年12月10日月曜日

大学教員公募の模擬授業

最近、大学教員の公募で一次の書類審査を通過したら、二次で面接と模擬授業を課す大学が増えているという話をよく聞きます。

私は個人的に模擬授業をしたことも、してもらったこともありませんが、体験者の話を聞くと、なかなか興味深いのです。

模擬授業を課すにしても様々なケースがあるようです。

たとえば、担当予定のシラバスを作成し、当日、指定された回の授業を行うものや、シラバスは事前に作成せず、その場で急に○○の授業の一部をしてみてください、とふられるものも聞いたことがあります。

時間も5分程度から、30分程度のもの、なかには、実際にそこの学生相手に講義をしてもらい、学生の評価も聞くといったものまであるようです。

募集する分野を教えられるだけの力があるのか、教育面で問題となることがないか等をある程度見たいのでしょう。

でも、個人的にはこうしたものを課すのはあまり好きではありません。


2012年11月25日日曜日

大学設置審査の厳格化について

最近、大学設置審査の厳格化の動きについて聞かれることが多くなってきました。
こういった問題の専門家ではありませんが、大学で働く人間だからでしょう。
このブログでも、日本には非常に多くの大学が存在しており、定員割れ、経営難などの問題を抱えた大学が少なくないということについて言及してきました。
もちろん、基準を経て設置が認められているのですから、それぞれの大学が存在している意義はあるはずです。
しかし、18歳人口が減り続ける状況では、大学が変わらない限り、淘汰される大学が出てきても不思議ではありません。
変わるといっても、その変化が、大学を維持させることだけ(経営的な観点から潰れないことだけ)に注力したものではだめでしょう。きれいごとのようですが、やはり教育機関としての変革でなければ、長い目で見ると危険です。
定員割れをしている地方の私立大学は特にこの点は要注意だと私は考えています。

増え続ける大学の数やその設置・改組審査のあり方についての問題は、大学関係者の間では、以前から懸念されていたことではありますが、この数週間でこうした問題が社会的にもクローズアップされ、多くの人が考えだしました。
それ自体はいいことだと思います。
選挙での大きな争点にはなっていませんが、一過性のもので終わってしまわないようにしてほしいです。
設置認可の基準がどのように変わっていくのかにしっかりと目を向け、国民全体で議論してほしいと、一大学人として願っています。

2012年11月16日金曜日

大学教員公募の面接(実施側の立場)

 この時期、どの大学でも来年度の人事案が固まり、場合によっては他の大学に割愛依頼を出す頃ではないでしょうか。
 と同時に、いきなり割愛依頼が届き、慌てふためく立場になる可能性も十分にあるわけですが。

 さて、そうした話に関連する、教員採用について一話。
 私はこれまでに新規教員を採用する際の面接者(面接する側)となった経験があります。
 そうした経験を通じて、採りたいと思う候補者には、共通点があることに気づきました。

 その共通点は複数あるのですが、まず挙げたい点は、
 採用された場合、自分にどのような役割が期待されているのかをしっかりと自覚しているということです。
 これは、単に担当する科目がわかっているというようなレベルではありません。
 所属することになる学科やセンターの教員構成やバランス、学生数等を把握し、自分の専門性や年齢等を勘案して、求められるポジションや役割を自ら見出しているというようなものです。
 そして、そのビジョンが、こちらの要求と合致している、あるいはそれ以上のものであるという共通点です。(自分で見出した役割が大学側の思惑とずれていると逆効果になる危険性もありますので、簡単なことではありません。)
 採用直後から、大学側の求めに合致した働きをしてくれるだけでなく、「期待以上の貢献をしてくれそうだ」というお得感が感じられる人はぜひ採りたいと思うのです。

 そのような候補者になるためには、やはりまずは面接を受ける大学、学部、学科、所属する教員等のことを可能な限り調べ上げ、公募情報だけでは知ることができない、現場の実態に迫る必要があるでしょう。

 採ってもらうという受け身の意識ではなく、通るという能動的な意識が重要ですね。
 (なんか、学生に対する就職活動指導っぽくて嫌ですが。)

 とにかく、同じ採用でも、「この人でいいや」ではなく、「この人をここで採らないともったいない」という評価をされるつもりで臨む覚悟が必要でしょう。
 

2012年10月31日水曜日

教員が別の大学に移るということ

以前、「割愛」について書きましたが、今回は、大学の教員が別の大学に移るということそのものについていくつかのパターンを考えます。

1.地方国立大学→都市部大手の私立大学
よく聞くパターンとして、また、人文社会系の教員たちには、非常に人気の高いパターンとして、地方にある国立大学の教員が都市部の大手私立大学に移るというものがあります。
理由は様々でしょうが、まずは給料が全然違います。地方の国立大学教授と都市部の大手の私立大学教授では、年収が400万円以上違ったという例を知っています。
また、研究する環境として(特に人文社会系は)都市部のほうが有利という面もあります。

2.地方国立大学→旧帝国大学
また、地方国立大学から旧帝国大学に移るケースもあります。
研究環境の改善(研究設備や研究費)や、母校への凱旋といった意味合いがあります。
もちろん、旧帝国大学から別の旧帝国大学に移るということもあるでしょう。

3.地方私立大学→別の私立・国立
私立大学の半数近くは定員割れの問題を抱えていて、経営難の状態とも言われている現在、地方の私立大学からは優秀な人材がどんどん流出しているという現状があります。
そこにしかとどまることのできない教員は別として、高い研究能力を持つ優れた若手の教員は旧帝国大学や都市部の大手の私立大学に引き抜かれています。

これからはますます大学教員の流動化が進むと思われます。

大学教員の公募(必須条件について)

大学教員の公募については、以前の複数の記事でも詳しく触れてきました。
最近では、便利なウェブサイトで公募情報を手軽に入手することができるわけですが、その際、応募条件の欄でよく見かける表現に「~であることが望ましい」というような表現があります。
今回はその点に注目。

例えば、「博士の学位を有していることが望ましい」や「大学ので教育経験を有していることが望ましい」などですね。
大学教員の採用などについて言及されているいくつかの書籍や記事でもすでに指摘されていることですが、この「望ましい」は、「必須である」と捉えるべきです。

院生やオーバードクターが溢れている現在、ブランド力ある大学にはもちろん、地方の小規模私大の公募にもたくさんの応募があります。(大学によっては応募書類が100通を超えることだって珍しくありません。)
このような状況では、「~であることが望ましい」をクリアできていない応募者たちは、その時点でまとめて除外されるということも多いのです。
ですから、応募者としては、「博士の学位を有していることが望ましい」と公募書類にあれば、「博士の学位を持っていなければならない」と考える必要がありますし、「大学ので教育経験を有していることが望ましい」とあれば、短大や専門学校ではなく、あくまで「大学ので教育経験を有していなければならない」と考えたほうが良いでしょう。

人気の大学・強い大学

 今回は、大学の人気、強さについて。
 現在、日本には約770もの大学が存在しています。
 その770の大学をいろんな評価基準でランキング化したものがあります。
 そのうちのひとつに、「志願者数」による大学の人気、強さを示したものがあります。
 志願者数が多いということは、受験者に選ばれているということです。
 そのランキングの上位は次のようになっています。

第1位・・・明治大学(4年連続)
第2位・・・早稲田大学
第3位・・・日本大学
(リクルート進学総研調)

 1位は4年連続で「明治大学」。
 施設の充実や立地、高い教育力、就職の強さなどが評価されています。
 3位までに入っている大学はいずれも都市圏の大手私立大学ですね。
 在学生も多いですし、そこの所属している教員の質も高いといっていいでしょう。
 (ちなみに、明治大学や早稲田大学は教員の給与も全国トップレベルです。)

 大学進学率が微増を続けているとはいえ、少子化の影響を受け、定員割れに悩まされている大学は少なくありません。(私立大学の半数近くは定員割れしているともいわれています。)
 そんな中、いかに受験者に志願してもらえるかはとても重要なことで、大学のブランド力にもつながるものです。

 ですから、多くの大学(特に私立大学)では、広報に力を注ぎ、学生に選ばれる大学づくり、運営を目指しているといってもいいでしょう。

2012年10月29日月曜日

大手の私立大学教員の年収

 以前の記事で大学教員の給与について書きました。
 今読んでいる、『大学教員採用・人事のカラクリ』という本にも主要な大手私立大学教員のモデル年収が紹介されていました。
 それによると、早稲田大学、慶応大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の2006年度のモデル年収平均は以下のとおりです。

35歳准教授・・・927万円
40歳准教授・・・1,066万円
50歳教授・・・1,318万円
55歳教授・・・1,366万円
60歳教授・・・1,380万円

 やはり都市部の大きな私立大学教員の年収は高いですね。
 ちなみに、この本の最初に紹介されている哀しきB教授の年収は450万円ちょっと。

 同じ大学の教員でも、どの大学の教員かによってかなりの差があるのです。

2012年10月24日水曜日

割愛について

この時期になると、教授会の議題に「割愛」の承認なるものが登場します。
大学に勤務する研究者を別の大学が採用する場合、割愛願いを出します。(最近では出さないところもあります。)
割愛をお願いするとは、大学教員の人事特有のもので、「優秀な人材で惜しいでしょうが、私どもにお譲りください(手放してください)」というお願いをすることです。
形式的になっている場合が多いのですが、たまに、この割愛の承認を拒否するということも起きるようです。
移りたい大学から採用されることが決まっても、勤務している大学を出るということは、そう簡単なことではないのですね。人間関係は複雑ですので。
最終的には辞表を提出して退職し、別の大学に移れば良いのですが、中には、割愛承認がなければ、内定を取り消すということもあるようです。
職業選択の自由、若い研究者の将来などのことを考えれば、いろいろ大変なのでしょうが、割愛を願われた大学側は潔く承認して欲しいものです。

2012年10月23日火曜日

大学教員公募の情報をどのように得るか

 大学の教員も公募によるものが増えてきたことは過去の記事でも触れたとおりです。
 では、その公募情報はどのようにして得ることができるのでしょうか。
 各大学がHPなどで公募情報を開示していたり、関係機関に文書を送付すること等が挙げられますが、今日では、「研究者人材データベースJREC-IN」という便利なサイトで大学教員を含む研究職の公募を手軽に確認することができます。
 勤務地や分野、職種などを限定して検索することができますし、キーワード検索も可能です。
 研究職を目指す大学院生や大学の移動をたくらんでいる若手研究者にとってこのサイトは非常に便利なものでしょう。
 私もたまにどんな公募があるのか、キーワードで検索してみます。
 分野や勤務地を指定して自分のメールアドレス宛にマッチングメールを送ってくれるサービスまであります。
 広く優秀な人材を募集したい大学側にとっても、研究職目指す個人の利用者にとってもこうしたサイトが存在することはよいことだと思います。
 私が勤務する大学でも教員を募集する際にはこのサイトに情報を載せるようです。

2012年10月7日日曜日

大学教員の公募について(年齢について)

以前の記事で二度ほど教員の公募・面接について書きましたが、今回はちょっと違う角度から。
今回のテーマは「年齢」です。
最近ではコネではなく、ちゃんと実力を問う真の「公募」が増えていることは以前言ったとおり。
ただ、そのようなガチ公募でも研究力や教育力、実績、人間性などの優劣だけで純粋に決まるわけではありません。
応募者の「年齢」が重要なポイントとなることも少なくないのです。
募集の段階で「教授」を募集するのか、「准教授」なのか、あるいは「講師」か、はたまた「助教」、「助手」なのかを明示していることが多いのですが、これは採用する側がある程度、どれくらいの年齢の教員が欲しいかという思惑の現れともいえるのです。

とはいえ、「准教授」や「講師」での募集では、求められている年齢が予想しにくいものです。
30~40代であることが多いでしょうが、場合によっては、50代かもしれませんし、20代かもしれません。
普通、内部のそうした「本音」を応募者が知ることはできません。

募集側の欲しい年齢層を推し量るひとつの手としては、応募部署の現職教員の顔ぶれ、そのバランスを知ることです。
年齢層に偏りがあればおのずと・・・。

もちろん、年齢など選考にまったく影響しないという場合もありますので、あしからず。

2012年10月3日水曜日

大学教員のボーナス

ブログの過去記事でもっともアクセス数が多かったのは、「大学教員の給料・給与・年収」でした。
そこで、今回はボーナスのおはなし。
結論から言うと、これも大学によって大きく異なります。

最近では、経営難でボーナス0の大学も少なくありません。地方の小規模私大ではよく聞く話です。
しかし、私の周りの研究者の方々は平均して3~4ヶ月分は出ているようです。(見栄を張っている可能性もありますが。)
やはり大規模な私立大学の支給額はよく、MARCH(明治、青学、立教、中央、法政)レベルでは、今でも6~7ヶ月分は出ているようです。(知り合いの何人かの事例だけが根拠ですが。)

国立大学法人は下降線を辿り、今後良くなるとも思えません。

待遇面では、大学間でも「勝ち組」「負け組」の二極化に拍車がかかっているのです。

大学教員の講義数

さて、大学教員のしごとのひとつに「教育」があります。
教育活動の主たるものは、90分の講義を行うことです。
この90分の講義1回を1コマと呼んだりします。

では、大学の教員はこの講義を週に何コマほど担当しているのでしょうか。
これは、給与と同様、大学によってかなり異なります。
また、同じ大学、学部であっても、年齢や職格によっても異なりますので、一概には言えません。

私が直接聞いたことのある最多コマ数は週22コマ。
月~金の5日で単純に割ると、1日4~5コマということになります。これでは、研究をする時間がないのでは。
一方、少ない人で週2コマ。
当然、講義がない日が大半です。
ちなみに私は現在週5コマ担当しています。

卒論指導や大学院生の面倒、他大学での非常勤などもありますので、単純にコマ数だけで「教育活動」の評価をすることはできませんが、やはり大学間の差は大きいですね。


2012年9月16日日曜日

大学公募の面接

 前回、大学教員の公募について書きましたが、それは、おもに一次審査(書類選考)のお話。
 実際には、書類選考を通った後、二次審査(面接)が行なわれます。
 大学や学部学科によって二次審査の内容は異なります。
 私の場合、二度、大学教員公募の二次審査を経験しました。
 1度目は理事会面接(30分)+人事選考委員会面接(60分)の2本立て。理事会の面接では、その大学の理事長、理事、事務局長が相手。人事選考委員会面接は8名の教員が相手。
 人事選考委員会面接では、最初の20分で自分のこれまでの研究と教育についてプレゼンし、残りの時間に質疑応答といったものでした。
 2度目は、人事選考委員会による面接(40分)のみ。面接官の人数は5人。こちらもまずは研究と教育経験についての説明。その後、採用された場合に担当するであろう科目について、どのような授業を行なうか等の質問があり、応答。後は一般的な質問。

 最近では、実際に模擬講義を行なわせることもあるとか。
 いずれにせよ、面接による二次審査までたどり着けたなら、その面接がどのようなものなのかについてある程度の予測をして臨むことが重要でしょう。
 人事選考委員に入りそうな教員を調べ、その大学が求めている人物像、スペックを明確にする。そうした作業で内定をもらう可能性を上げることは可能だと思います。

 当確がいるデキレースのあて馬じゃないことを願いつつ。

 では、また。

2012年9月15日土曜日

大学教員の公募について

 大学の教員採用。
 最近標準的になってきたのが、公募です。
 欲しい研究者の情報を明示し、全国に公募するのです。
 すでに候補者が決まっている「出来レース」もあるのが実情ですが、最近では純粋に実力を問い、フェアに選考する公募が増えています。

 さて、この公募ですが、大学院生やオーバードクターが非常に多い現在、ひとつのポストに数百の応募者が殺到することも珍しくはありません。
 ですから、自分が応募できる募集があっても、そう簡単には通らないのです。
 私の場合、最初の大学に決まるまで、12校の大学公募に応募し、断られました。今ではこの12校というのはまだまだ少ない方で、40、50校に応募しても結果がでないこともある厳しい状況なのです。
 私は某大学に採用され、そこで5年働いた後、別の大学に公募で移りました。
 つまり、公募には2回通ったわけです。
 いずれも、応募締め切り日から2週間以内に一次選考合格の通知をいただきました。その後、1か月以内に面接を行ない、内定という流れです。

 面接については、また後日書きます。

 

 

2012年9月14日金曜日

大学の教員になるには

 あまり知られていない、大学教員の採用人事。
 採用には様々なパターンがありますが、もっともスタンダードかつ正当な(?)研究者養成のプロセスを紹介します。(ちなみに私自身は人文社会系です。)
 まず、まともな(?)大学の教員になるには、学位が必要です。それも博士の学位です。
 もはや文系でも博士が求められます。
 博士となるには、大学院修士課程、博士課程と進学し、論文を書いて審査を通過しなければなりません。そう簡単ではないですね。しかし、まっとうな研究者はこうした道を歩んで来ています。
 さらに、多くの場合、大学院博士課程を終えた後は、すぐに大学教員になるのではなく、研究員や助手などを務めることになります。または、大学の非常勤講師を複数担当し、経済的に不安定な時期を送ります。(個人差がありますが、40代半ばまでこのような状態が続くことも稀ではありません。)
 その後、実力と運が伴った人は大学の常勤ポストをゲットするのです。まずは助教や専任講師となることが多いです。

 ただし、大学の常勤ポストをめぐる競争は激戦です。分野によっても異なりますが、ひとつの椅子をかけて、数百人で争う事も珍しくありません。
 さらに、常勤のポストを得ても大学間で大きな待遇面での遇格差があり、安定的に研究を続けることができる環境を得ることができる研究者はごく一握りの人に限られるというのが現状です。

 給与面での格差については、こちらの記事をご参照ください。
 
 ポストをめぐる争いが繰り広げられる「公募」にもいろんなドラマがあります。
 その話はまた後日。

旧帝大とは

 大学の教職員や院生なら聞き慣れた言葉でしょうが、一般にはあまり馴染みのないことばに「キュウテイダイ」というものがあります。
 学外でもたまに質問されます。
 「キュウテイダイ」とは、「旧帝大」であり、「旧帝国大学」のことです。
 具体的には、東京大学、京都大学、東北大学、九州大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学のことで、「七帝大」と言われることもあります。
 帝国大学とは、戦前日本に存在した、東京帝国大学、京都帝国大学、東北帝国大学、九州帝国大学、北海道帝国大学、京城帝国大学、台北帝国大学、大阪帝国大学、名古屋帝国大学のことで、その後身である前述の大学が「旧帝国大学」=「旧帝大」と呼ばれているのです。
 大学の教員をしていると、ほとんどの場合、この「旧帝大」出身者の同僚がいるはずです。
 各分野の博士課程を有し、いわゆる伝統的な研究者養成を行なっているのが、この「旧帝大」なのです。
 もちろん、そうでない大学院の出身で大学教授になった人もいますし、そういう人が必ずしも能力的に「旧帝大」大学院出身者に劣るわけではありません。
 ただ、大学の世界にいると必ず何らかの縁があるのが、この「旧帝大」なのです。

 ではまた。

2012年9月13日木曜日

大学教員の給料・給与・年収

 さて、今日は大学の教員の待遇面の話です。
 つまりは、給料のことです。年収。

 「年収ラボ」によれば、大学教授の平均年収は1,114万円だそうです。
 しかし、実態としては大学間での差が非常に大きいのです。
 平均はあまり意味がありません。

 給料が高い大学として挙げられるのは以下のような大学です。

1.明治大学
2.早稲田大学
3.中央大学
4.立教大学
5.関西大学
6.関西学院大学
7.同志社大学

 やはり有名な大学、そして規模が大きい私立大学が高待遇です。
 上に書いた大学では、35歳准教授でも1,000万(年収)もらってます。それに見合う仕事をされているのは当然ですが、勝ち組ですね。

 しかし、今や700校を超える大学の中で、そのように恵まれた大学で働く人ばかりではありません。
 現在は多くの大学で定員割れしており、経営に苦しんでいます。つぶれる大学もでてくるでしょう。
 ですから、同じ35歳准教授で500万程度の年収の人も決して少なくありません。むしろ人数はこちらの方が多いでしょう。それ以下の人だっています。ボーナス0の大学もあります。
 国立大学(法人)は有名私大とその他の大学との中間あたりでしょうか。

 とにかく、研究費や各種手当を含め、大学間にはそうとうな格差があります。
 待遇についてはまた改めて書きます。
 

2012年9月11日火曜日

大学教員の職格

 大学教員には一般的に以下のような職格があります。

1.教授

2.准教授
3.講師(専任講師)
4.助教

 教授や准教授は比較的よく知られていますが、講師、助教はあまり聞きなれない人も多いのではないでしょうか。

 一般的には助教→講師→准教授→教授と職格を上げていくことになるのでしょうが、ずっと助教、ずっと講師ということも珍しくはありません。
 職格を上げる際には、勤務実績や学位、業績、社会活動等を勘案します。実態としては、経営の厳しい大学はお金の問題で昇任がペンディングされていることも多いのです。
 では、こうした大学の教員はどのように採用されているのでしょう。
 多様なパターンがありますので、そちらは追々書いていきます。

2012年9月9日日曜日

大学の数

 現在日本にどれくらいの大学が存在しているのか、皆さんはご存知ですか。
 2012年現在、なんと780校もの大学があるのです!
 そのうち、皆さんは何校の大学の名前が出てくるでしょうか。
 今、皆さんの頭にすぐ浮かんでくる大学は、そうとう有名な、かつ、ちゃんとした大学なのです。(近くに住んでいるから知っているマイナー大学以外。)
 当然、教員としてもどの大学に勤めるのかによって、その社会的地位や待遇は大きく異なります。同じ「大学教員」であることを忘れてしまうくらいの格差です。ですから、若手の研究者はまず、無名大学で修業し、優秀かつ運が良ければ有名大学に移籍することを目指すのが当たり前になりつつあります。(そうはいっても実際に移籍できる優秀な研究者はごくわずかです。)
 状況によっては例外もあるでしょうが、国内では、旧帝大や「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)といった大規模かつ有名大学に籍を置くことができる教員はいろんな意味で「勝ち組」でしょう。
 しかし、そんな大学の教授になれるのは研究者のうちごく僅かです。 旧帝大と「MARCH」合わせてもたったの12校。780校のうちの12校。

 もちろん、それ以外の大学でも充実した研究者生活を送っておられる方はたくさんいます。そんな方々は幸せです。
 しかし、なかなか厳しい世界なのです。

 ではまた。